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不動産の貸付と税金(2)
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【2】青色申告の特典
 青色申告の特典には色々ありますが、不動産賃貸を中心に考えると、
1)青色申告特別控除
2)青色事業専従者給与
3)純損失の繰越控除
が揚げられます。
1) 青色申告特別控除
  (1)55万円の青色申告特別控除
 
(i) 事業的規模で不動産を貸付けている場合、不動産所得の金額から55万円(55万円に達しない場合はその金額)を控除することが出来ます。
(ii) 不動産所得の事業的規模とは
社会通念上事業と称する規模で不動産の貸付を行っているかで判断をしますが、その判定が困難な場合には、形式的にみて次に揚げる場合は、事業的規模と判定します。
(イ) 貸間、アパ−ト等については、貸与することができる独立した部屋がおおむね10部屋以上あること
(ロ) 独立家屋の貸付については、おおむね5棟以上であること
(iii) 55万円特別控除の適用を受けるには
(イ) 確定申告書にその適用を受ける旨等の記載があること
(ロ) 確定申告書に貸借対照表、損益計算書、その他の計算明細書を添付していること
(ハ) 確定申告書を期限内に提出していること

  (2)10万円の青色申告特別控除
  (1)の青色申告特別控除を受ける人以外の青色申告者については、不動産所得の金額から10万円(10万円に達しない場合はその金額)を控除することが出来ます。

(注)その他にも45万円特別控除というのがありますが、ここでは省略します。
 
2) 青色事業専従者給与
  不動産所得者で事業的規模に該当する場合(上記(1)(ii)参照)には、「青色専従者給与に関する届出書」に記載した方法、金額の範囲内で給与の支払いをした場合には、その労務に従事をした期間等からみて、その労務の対価として相当であると認められる金額を、不動産所得の金額の計算上、必要経費として算入することができます。

  (1)青色事業専従者の要件は・・・
  青色事業専従者は次のいずれかに該当する人をいいます。
(イ)青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
(ロ)その年の12月31日現在で15歳以上であること
(ハ)その年を通じて6カ月を超える期間、専ら従事していること

ただし、次に該当する場合には専従者とはなりません。
(イ)高校、大学、その他の学生又は生徒である人
(ロ)他に職業がある場合
(ハ)老衰、その他心身の障害により事業に従事する能力が著しく阻害されている人

(注)青色事業専従者に該当し、給与の支払いを受ける人は、給与所得となりますので、控除対象配偶者又は扶養親族とはされません。

  (2)青色事業専従者給与を支給するためには・・・
  青色申告者が
(i)1月15日以前に事業を開始した場合には3月15日まで
(ii)1月16日以降新たに事業を開始した場合には、開始した日から2カ月以内に
「青色専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
 
3) 純損失の繰越控除
  青色申告の適用を受けている人は純損失が生じた場合には、翌年以後3年間、その損失金額を繰越すことが出来ます。
  (1)純損失の金額とは・・・
  【3】損益通算でも述べるように、例えば不動産所得の計算上赤字がでた場合、事業所得や給与所得等、他の所得の黒字の金額と通算してもなお、赤字として残る損失の金額を純損失の金額といいます。

  (2)繰越控除の適用を受けるためには・・・
  その後の年についても、引き続き確定申告書を提出しなければなりません。


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