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不動産を取得する時にかかる税金
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【5】相続又は遺贈により取得した不動産を譲渡する場合の特例(相続税の取得費加算)

  (1) 特例の内容は・・・?
相続又は遺贈により取得した不動産を相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限後3年以内の期間内に譲渡した場合には、譲渡所得の計算上、その譲渡資産の取得費に特例計算が認められています。 まず、譲渡所得の計算方法は、

譲渡対価−(譲渡資産の取得費+譲渡費用)−特別控除=譲渡所得

となります。この取得費の部分に、譲渡した人の納付すべき相続税額のうち、次の算式で計算した額を加算することができます。

1) 譲渡資産が土地の場合

譲渡した人の相続税額 × 譲渡した人が取得したすべての土地の課税価格
※ 譲渡した人の相続税の課税価格


2) 1)以外の場合

譲渡した人の相続税額 × 譲渡資産の課税価格
※ 譲渡した人の相続税の課税価格


※ 債務、葬式費用を控除しない金額で計算します。

この規定の適用により、譲渡資産の取得費が大きくなり、結果的に譲渡所得を小さくすることができるのです。ただし、譲渡損を発生させることはできません。
ここで重要なことは、取得日と取得費についてです。どちらも、被相続人がその不動産をいつ、いくらで取得したかを譲渡所得の計算に用います。特に、その不動産の譲渡所得が長期譲渡所得となるか短期譲渡所得となるかの判断は取得日によりますので、注意が必要です。
(詳細は マイホームを譲渡するときの税金 を参照して下さい。)
(2) 取得費加算の特例を有効活用するためには・・・?

相続により取得した不動産を次の順に譲渡していきます。
1) 譲渡益が生ずる土地から譲渡します。譲渡益の発生しない土地については、この規定の適用期限を気にする必要はありません。
2) 所有期間の短い不動産から譲渡します。短期譲渡所得は長期譲渡取得よりも税率が高いため、短期所有の不動産に取得費加算の特例を適用した方が有利となるからです。
3) その不動産の譲渡について、他の規定による控除(3,000万円特別控除、軽減税率、買換えの特例など)の適用を受けられる場合には、まずそちらを優先します。その後においても譲渡益がある場合に、その譲渡益を限度として取得費加算の特例の適用を受けた方が有利となります。


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