健康保険年金講座

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公費で医療費の負担が軽減されるのは?

4回に渡り、健康保険制度以外の制度で、医療費の負担が軽減されるものをご紹介していきます。
(1)結核の場合
●一般の結核患者
化学療法などの結核医療を受けるときは、患者の申請により公費負担が行われます。公費負担の範囲は結核医療費の95%で、患者負担は本人・家族とも5%ですみます。ただし、基本的には、健康保険が優先されますので、実際の公費負担額は健康保険でカバーされない部分となります。また、結核医療に該当しないものについては、通常の負担が必要となってきますので、ご注意ください。



●命令入所の結核患者
飲食業者などが、結核で就業禁止や療養所への入所を命じられる場合も公費負担が行われます。この場合の入院医療費についても健康保険が優先され、一部負担金が公費負担の対象になります。ただし、患者や家族の負担能力によっては自己負担が必要となる場合があります。

(2)精神障害の場合
●通院の精神障害患者
精神障害者が通院して精神障害の医療を受けるときは、一般の結核患者の場合と同様に公費負担が行われます。

●措置入院の精神障害患者
措置入院の場合は、命令入所の結核患者の場合と同様な公費負担が行われます。

※措置入院とは精神障害者による犯罪を予防するための制度で、自分自身を傷つけ(自傷)、他人に害を及ぼす(他害)おそれのある者については、精神保険指定医二人以上の診断で、精神障害者であり、緊急性を要すると言う結果が出れば、都道府県知事の命令によって強制的に入院させることができるというシステムです。

被害者とその家族はもちろん、加害者の家族などの事情を知る者は誰でも申請できます。地域の保健所で申請を受け付け、都道府県が管理・運営します。申請を受けて知事から委任を受けた2名の精神科医が診察し、自傷他害の疑いがあれば加害者を強制的に入院・治療させます。


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