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 「危険運転致死傷罪」施行から3か月で50件の事故に適用

 警察庁の調べによると、昨年12月末に「危険運転致死傷罪」(刑法208条の2)という新しい法律が施行されてから、今年3月までの3ヶ月間に、全国の警察がこの罪を適用した交通事件は50件に上っていたことがわかりました。そのうち、なんと半数以上が、泥酔運転や薬物運転中の重大事故でした

すでに新聞やテレビなどでも取り上げられていますが、これまでは人身事故を起こすと、「業務上過失致死傷罪」が適用され、懲役5年以下の刑罰が科せられてきました。ところが今回、「危険運転致死傷罪」が新設されたことにより、飲酒運転や信号無視などの悪質運転で被害者を死亡させた場合には、「1年以上15年以下の有期懲役」、負傷事故でも「10年以下の懲役」と、これまでより数倍重くなったのです。 つまり、悪質運転による事故が起こった場合は、「過失」とはみなさないというわけです。

ちなみに、刑罰の対象となる「危険運転」とは、

  • アルコールや薬物の影響により、運転操作を的確に行うことができない状態での運転
  • 車の進行を制御することが困難な高速度や初歩的な運転技能(ブレーキ操作ができない等)を有しない状態での運転
  • 人又は車の通行を妨害する目的で、危険な速度での割り込みや幅寄せなどの行為をする運転
  • 危険な速度で赤信号を故意に無視した運転

をさします。

(*今回の改正では、こうした運転中に死傷事故を起こした
  4輪以上のクルマが対象となっており、バイクは対象外です)

自動車保険においても、こうした悪質運転による事故には厳しいチェックが入りますので気をつけてください。対人保険や対物保険といった賠償保険については、ドライバーに違法行為があっても「被害者保護」という観点から保険金が支払われるのが一般的ですが、ドライバー自身が酒酔い、無免許、薬物服用など違法な運転をしている場合は、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険、車両保険は支払われません。

飲酒運転やスピード出し過ぎ、信号無視などは、ドライバーや周囲の人たちのモラル次第で必ず防げるものです。悪質運転による被害者をこれ以上出さないために、ひとり一人が慎重な運転を心がける必要があるでしょう。


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