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 交通事故でのケガでも「健康保険」は使える

 交通事故でけがをして入院や通院が必要となった場合、自分が加入している「健康保険」(会社が加入している保険や国民健康保険など)を使うべきかどうか、悩んでいる人は多いようです。また、病院の窓口で、「交通事故の場合は、自由診療しか受け付けません」などと言われて、その言葉を信じている人も少なくありません。

でも、これだけは覚えておきましょう。交通事故でも健康保険は使えます(ただし、業務中・通勤途中の交通事故であれば労災保険を使います)。健康保険か自由診療のどちらの方法で治療してもらうかは、あくまでも健康保険の被保険者である患者が決めること。病院の言いなりになる必要はありません。実際に、厚生省からは「交通事故でも健康保険が使えますよ」という内容の通達が出されています(昭和43年通達106号)。

 特に、自分の側にも過失があるような場合は、必ず健康保険を使ってください。自由診療で治療を受けると、あとで高額な治療費を自己負担しなければならない可能性があるからです。

 では、なぜ健康保険を使ったほうが自己負担額が少なくてすむのでしょうか?

 実は、健康保険を使った治療の場合、治療費の基準となる医療点数の単価は、1点あたりどこの病院でも10円と決まっています。ところが、自由診療の場合は(病院によっても異なりますが)、1点あたり平均20円。つまり、健康保険の約2倍なのです。たとえば、医療点数が10万点になった場合、健康保険を使えば治療費は100万円ですが、自由診療の場合は治療内容がまったく同じでも200万円の請求がきてしまうのです。

 もちろん、追突事故のように、相手の過失が100%で、治療費を全額負担してくれるということがはっきりしている場合は心配いりませんが、自分の過失が大きいときや単独事故の場合は、あとが大変です。このような事故が起こったときは、「治療費を自分で支払わなければならないので、できるだけ治療費を抑えたいのです」と、病院にはっきりと伝えましょう。

 もし、自由診療でなければ受けられない特別の治療が必要なときは、その部分だけ自由診療でお願いすればよいでしょう。

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